婚約破棄され牢送りになってしまいました。けれども戦いをやめません、これは私の名誉のためですから。
「君は裏で悪行に手を染めていたそうだね、信じられないけれど事実だそうじゃないか。あぁ信じられない。でも、そんな女性とは一緒にいられないからさ。君との婚約、破棄することとするよ」
王子で婚約者のエッジはある日突然そんなことを言ってきた。
話を聞けば、どうやら、エッジに近づいている女の嘘のようだ。
「取り敢えず君には牢に入ってもらうから」
「お待ちください! 待って! そんなこと、私はしていません!」
「うるさいなぁ。悪女が。さっさとくたばれよ」
こうして私は牢送りになってしまった。
けれども諦めない。
己の名誉のために。
私は戦いをやめない。
――それから数ヶ月、私は、国王に対して私に非がないことを証明する書類を提出した。
それによって、私は解放された。
女の嘘を信じ込んで牢送りにした、ということで、エッジは謹慎処分となった。
そして、エッジの近くで嘘ばかりを話していた女は嘘をついて他者を陥れようとした罪で拘束され、その後余罪が出てきたこともあって処刑となった。
「息子が大変申し訳ないことをした、すまない」
「いえ……」
私は国王から直接謝罪を受けた。
◆
それから数年、私は花屋を営む男性との縁に恵まれ、彼と結婚して幸せになれた。
大きなお金はない。
特別な刺激も。
それでもここには安定した幸福があるのだ。
◆終わり◆




