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さくっと読める? 異世界恋愛系短編集 2 (2022.3~12)  作者: 四季


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婚約破棄? どうぞご自由に。ただし、貴方には蛙になっていただきます!

 低級ながら魔法使いの私。

 悪いことはしていない。

 私が魔法を使うのは基本的には人のためになる時だけ。


 しかし婚約者ポンポトには理解されていない。


 彼は私のことを『穢れた魔女』と呼ぶ。

 そして、本当は婚約する気なんてなかったんだ、と繰り返す。


 そんなことを言うなら最初から婚約しなければ良いのに……と思うのだけれど。


 でも、愚痴を言いつつも婚約したというところが、彼の厄介としか言えない部分である。



 ◆



 そんなある日。


「悪いなぁ急に」

「いえ」

「伝えたいことがあってな」

「何でしょう?」

「婚約、破棄することになったから」


 来た!


 ついにこの日がやって来た。


 一種の嬉しさはある。


「婚約破棄、ですか」

「そうそう」

「理由は何かありますか?」

「ま、穢れた魔女と結ばれるのが嫌だったから、が第一だな」


 それから、数時間にわたって、ポンポトは私を侮辱するような言葉を並べた。


 さすがに耐えられない。

 ごちゃごちゃ言われて流せるほど私は寛容ではない。


 でも、ここで反撃したら、絶対問題になる……。


 そこで、私は、ここではすぐには反撃しないことにした。


「ま、俺にはもーっと可愛い女性がいるしな! お前なんかどうでもいいんだよぉ。だっははは!」

「そうですか」

「はぁ? 何だそれ、生意気な物言いだなぁ。ふざけんなよぉ?」

「では私はこれで失礼しますね」


 その日はそれで別れた。



 ◆



 その後、私は魔法を使い、ポンポトを蛙に変えた。


 数日後彼が蛙になった話を聞いた。

 どうやら私の魔法は成功していたようだ。


 で、蛙となったポンポトは、蛙嫌いな妹に箒で何度も叩かれ潰されたそうだ。


 ふん、いい気味。


 今回ばかりはそう思ってしまった。


 他者の不幸を喜ぶなんて良くないことと分かってはいても、それでも、今回の彼に関してだけはざまぁみろと思った。



◆終わり◆

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