表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
さくっと読める? 異世界恋愛系短編集 2 (2022.3~12)  作者: 四季


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

464/1194

妹が私の婚約を勝手に破棄してきました。~婚約者を奪われた私にはより良い出会いが待っていました~

「お姉様の婚約、破棄しておいたわよ!」


 長い髪を縦ロールにした妹エリが急にそんなことを言ってきた。


 事情が分からず戸惑っていると。


「アルベル様はもうあたくしのもの! 分かったかしら? ま、いいでしょう。アルベル様みたいな素敵な方にぴったりなのはお姉様みたいな地味な女ではなくあたくしみたいな美しい娘だもの!」


 その後私はアルベルから正式に婚約破棄を告げられた。


 まさかの展開だ。

 婚約者を妹に奪われることは想定していなかった。


 が、こうなってしまった以上仕方ない。


 婚約者を奪ったエリ。

 簡単に妹に乗り換えたアルベル。


 どちらも本当の意味では許してはいないけれど、でも、今すぐ復讐するようなことはしない。


 私はそこまで短絡的な人間ではないから。


 その後、エリとアルベルは、何事もなかったかのように結婚した。

 本来アルベルト結婚するはずだった私なんて最初からいなかったかのように扱われていた。



 ◆



 数ヶ月後、私は友人の人脈があった縁で国王の長男であるルエブ王子と知り合い、花を飾るという共通の趣味があったことで急激に仲良くなった。


 そうして共に過ごすうちにルエブから結婚を望まれて。

 すぐにそれを受け入れるという返事をした。


 そもそも私には男性の知り合いが少ない。ここでせっかくの機会を逃してしまったら、きっと、次の機会は当分来ないだろう。それに、もし異性に出会ったとしても、彼とと同じくらい仲良くなれる可能性は高くはない。


 そう考えたから、ルエブとの道を行くことにした。


 私がルエブ王子と結ばれることを知った時、エリは激怒していた。裏切り者、とまで叫ばれて。意味が分からないくらい色々汚い言葉をかけられてしまった。


 でもそんなことはどうでもいい。


 精々悔しがっていればいい。


 彼女にはアルベルがいるのだ。私から奪い取ったアルベルが。だから彼女は彼と生きれば良いではないか。そのうえで私が誰と一緒に生きようとも彼女には関係ないだろう。



 ◆



 私は王子と結ばれ幸せになれた。

 しかしその一方で。

 妹のエリは私から奪い取ったアルベルと結ばれてもなお幸せには慣れなかったようだ。


 私が王子の妻となったことで情緒不安定になったエリは、ことあるごとにアルベルに当たり散らすようになったらしい。

 彼女はアルベルに対して毎日のように「あんたなんてしょぼい男」とか「あたくしに相応しくない見かけ騙しのくそよね」とか言い放ったそうで。

 それによって激怒したアルベルによって、ある日の晩、椅子で何度も殴られて殺められてしまったそうだ。


 アルベルもずっと我慢していたようだが、その日限界を迎えてしまったようである。


 毎日酷いことを言われ続けたら……そうなってしまうというのも全く理解できないことではない。


 そうしてエリは落命し、アルベルも殺人者として治安維持組織に拘束され牢内の狭い狭い部屋にて数十年を過ごすこととなったようだ。


 ま、ざまぁみろ、という感じだ。



◆終わり◆

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ