婚約者と親友がやって来て「愛し合ってる」とか言ってきたうえ婚約破棄を宣言されてしまいました。が、父が復讐しました。
「俺ら、愛し合ってるんだ」
「そうなの~ごめんねリリア~」
その日、婚約者オッポと親友だと思っていたネリが、二人で私の前へやって来た。
そして。
「ということだから、リリア、君との婚約は破棄とするな」
オッポは悪気など一切ないような顔でそう言った。
「俺とネリはどこの誰よりも愛し合っている。その想いは強く、誰にも邪魔などできないほどのものだ」
「ごめごめ~リリア~」
「だからリリア、たとえ君と結婚したとしても、俺が君を愛することはない。ならば婚約は破棄した方が良いと思った。そういうことなんだ」
「ほんとごめんねリリア、あたしの方が魅力的だったみたいね~」
オッポとネリはそこまで言い終えてから抱き締め合う。
これは何を見せられているのだろうか……。
「じゃな、リリア。ばいばい。永遠に、さよなら」
こうして私は婚約破棄された。
しかし驚いた、親友だと思っていたネリに婚約者を奪われるとは。
人生とは分からないものだ……。
◆
そのことを知った父は激怒。
絶対に許さないと言い出して。
復讐すると言い出し止まらなくなってしまった。
で、父は早速そういうことに長けている知人の知人に頼み、オッポとネリを拘束した。
ネリは我が家の地下室に入れられた。そして父から数時間にわたって説教を受けた。で、棒で数回叩かれた後に、裏社会の商人へ売り飛ばされた。
一方オッポはというと、生殖能力を奪う手術を施された。それからやはりまた父からの説教を十時間以上受けて。その後拷問のような行為を数日にわたって受け、それから処刑人訓練場へ送られた。処刑人訓練場へ送られたということはつまり、下手な処刑人に訓練で処刑されるということ。実際に見たわけではないけれど、彼もきっとそうなったのだろう。
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それから数年、私は権力ある資産家の男性と結婚した。
私は今、毎日、屋敷でのんびりと暮らしている。
日々好きなことをできるのでこの暮らしは快適そのものだ。
最近のブームは飼っている魚の世話。
餌をやったり、水を掃除したり、忙しさ大変さもあるけれど充実感があって楽しい。
◆終わり◆




