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さくっと読める? 異世界恋愛系短編集 2 (2022.3~12)  作者: 四季


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貧乏令嬢の相手はできんと婚約破棄されてしまいました。しかしその直後に自宅の庭から金塊が掘り出されまして。

 私の実家は一応歴史ある家である。

 しかし反映していたのは過去の話であって。

 現在はそこまで裕福でもない。


 だから、幼い頃から、同じような家柄の者たちからは馬鹿にされてきた。


 でも両親は優しくて。

 そこそこ幸せには生きてきたと思う。


「貧乏令嬢のくせに俺の言いなりにならないとは、生意気にもほどがある。そこそこ良い家の娘でももう少しは俺に忠実だというのに」

「え……」

「まともに従いもしない貧乏令嬢の相手はできん! よって、婚約は破棄とする! お前との縁は切る!」


 宣言され、彼の家から追い出された。


 珍しく婚約者に呼び出されたと思ったら、婚約破棄を告げられて追い出された。


 何をしに来たのだろう、という気分になってしまう。

 切り捨てる宣言をされるためにここまで来たと思うと、何というか、少々虚しさを感じてしまう。


 そうして私は実家へ帰ることとなった。


 だが。


 その日の夕方、自宅の庭で土をいじっていたところ、地面に何かが埋まっていることに気づいた。


 何だろう? と思いつつも、深く考えないままに掘り出してみると、それは金の欠片だった。そこはこれまであまり掘ったことがなかった場所だ。まさか、と思いもう少し掘り進めてみると、やはりまた金色の欠片が出てくる。


 そう、我が家の庭には実は金塊が大量に埋まっていたのだ。

 そうして我が家は一気に大金持ちとなった。


 これからはもう貧乏だなんだとは言われない。

 だって凄まじい資産を得たから。

 これがあればこれまでのすべてが変わる。


 直後、話を聞きつけた元婚約者が「貧乏でないならまた付き合ってやってもいい」と言ってきたのだけれど、私はそれを断った。


「なぜ? 今なら俺とやり直せるんだぞ? 嬉しいだろう?」

「いえ結構です。私はそれを望んでいませんので」

「何だと!? ま、まさか! 金持ちになったからって俺の家をしょぼいと思って差別しているのか!? 見下しているのか!?」


 妄想がすごい。


「私は貴方と生きる気はありませんので、お帰りください。さようなら」


 彼とやり直す?

 あり得ない。

 私みたいな女は嫌なのだろう?



 ◆



 その後私はとある催し物にて出会った王子と結ばれた。


 一方、元婚約者の彼はというと、良家の令嬢に子を宿してしまったことで彼女の家から償いとして凄まじい額を請求され、それを支払った結果貧しくなってしまったそうだ。



◆終わり◆


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