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死ぬまで君と生きられたら、どんなに幸せだっただろう。
死ぬまで君と生きられたら、どんなに幸せだっただろう。
君との婚約は破棄となりすべてが終わった今でも、府と、そんなことを思うことがあるんだ。
だって僕は今も君のことが好きだから。
どうしても夢をみたくて。
つい君と生きられた未来を想像空想してしまうんだよ。
君は王子から求婚されて僕を捨てたね。
婚約破棄を告げられた日の悲しさ切なさは今でも鮮明に思い出せる。
そりゃあこんなぱっとしない僕より王子のほうがいいよね。だって王子様だもんね、いつの時代も女の子の憧れだよ。だから君が僕を捨てて彼を選んだのも理解はできるんだ。理解不能、意味不明、ってわけじゃない。
ただ、それでも、君に捨てられて心は痛んだよ。
死ぬまで君と生きられたら、どんなに幸せだっただろう。
今でもそう思うのも。
ある意味ではその傷跡なんだ。
僕は君と生きていきたかった。
でも君はそれを望まなかった。
……悲しいことだね。
◆終わり◆




