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さくっと読める? 異世界恋愛系短編集 2 (2022.3~12)  作者: 四季


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王女と婚約したからと城内で威張り散らすようになった彼、迷惑だし不愉快なので城から追放します。

「俺はマリー王女の婚約者だぞ! もたもたするな! さっさと茶を出せ! 侍女のくせにそんなこともできねーのか、クソだな」


 私の婚約者モルテは元はそれほど問題のある男性ではなかった。

 しかし王子である私と婚約してから人格が入れ替わりでもしたかのように高圧的な人になった。

 城内で威張り散らし、働いてくれている人たちに対しても失礼なことを平然と言う。


 私も何度か注意してみたのだけれど。


「あぁ~あれはですね~ただの指導ですよ。ちょ~っと厳しくしただけですから~王女様は気になさらないでください」


 とか返されただけで終わった。


 彼の態度があまりにも悪いので、私は、彼を城から追放することにした。


「モルテ、貴方との婚約は破棄するわ」


 こんな男が城にいては、城で働いてくれている人たちのためにならない。


「えっ。どうして!?」

「貴方には感謝の気持ちというものがなさすぎるのよ。皆にあんな風に接する人をここに置いてはおけないの。そういうことだから……出ていってもらうわ」


 私はモルテを追放した。


 彼が城を出ていく日。

 侍女らは去り行く彼をくすくす笑いながら見ていた。

 皆すっきりしたような顔をしていた。



 ◆



 その後私は親が紹介してくれた別の男性と結婚。

 控えめな彼とは気が合った。

 彼は城内でも誠実で威張り散らすようなことはしないのでありがたかった。


 今は彼と夫婦になり、穏やかに暮らすことができている。


 そしてこれはとある情報筋から聞いた話なのだが――モルテは城を出た晩に過去に暴言を吐いた侍女の夫である男性に襲われて殴られ、全治一年とされる傷を負ったそうだ。


 また、城での己の行いを皆に知られたことで、実家の近所の人たちにも冷めた目で見られるようになってしまったらしい。



◆終わり◆

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