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さくっと読める? 異世界恋愛系短編集 2 (2022.3~12)  作者: 四季


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婚約破棄されたので消えます、さようなら。~月夜にお別れ~

 貴方は私を残酷な言葉で傷つけ、それから婚約破棄を宣言した。


 それがあまりに辛かったから。

 月が美しい晩、私は、この湖の畔で生を終えることにした。


 魔女から貰った溶けてなくなる薬。

 これならそれほど苦しまずに生を終えることができる。

 私にもってこいの魔法の薬。


 この痛み、この辛さ、貴方には分からないでしょう……。だって、少しでも想像できるなら、そんなことを平然と言えるわけがない……。言えるということはそこまで考えられないし今の私の心を理解できないということ……。


 私は貴方を想って生きてきたのに。

 貴方は私の死となった。

 それはとても悲しく残念だ。


 でも、もういい。


 もう疲れた。


 だから私はここで消える。

 この美しい月夜に。



◆終わり◆

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