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さくっと読める? 異世界恋愛系短編集 2 (2022.3~12)  作者: 四季


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勝手に子を作って婚約破棄? ふざけないでください。覚悟しておいてくださいね、絶対復讐しますから。

「私の腹にはオールド様との子がいるのよ! いい? 貴女はもう必要とされていないの。一番愛されているのは私! 分かったわね! じゃ、貴女はとっとと消えて。オールド様の前から消えるのよ!」


 ある日突然知らない女がやって来てそんなことを言ってきた。


 意味が分からない。が、消えろとまで言われてはさすがに無視しておくこともできない。なので婚約者オールドに話を聞いてみることにした。


「ああ、実はさ、彼女が好きすぎてさ。ちょっと仲良くし過ぎたんだよな。で、思ったより早く誕生してしまった。そういうことだよ」


 確認の意味で話してみると、オールドはさらりと子の誕生を認めた。


「子がいるというのは本当なのね?」

「ああそうだよ。愛の結晶さ」

「……婚約者がいる身でよくそんなことが言えるわね」

「何でもいいだろ。ま、言っておくか。お前との婚約は破棄する! これでいいだろ? じゃあな。ばいばい」


 ふざけているのか?


 許すわけがない。

 そんな雑な婚約破棄の仕方。

 誠実さの欠片もない。


 こちらを怒らせようとしているとしか思えない。


「……そうやって精々舐めているといいわ」


 後で痛い目に遭うのはあなたたちよ!



 ◆



 私は父親の知人でこの国の権力者と太いパイプを持つ人に力を借りてオールドとその相手の女に仕返しをすることにした。


 まずは婚約者がいるにも関わらず他の女と子を作ったオールドへの復讐。


 彼に莫大な慰謝料を請求する。

 そして彼が払えないことを理由に国営施設に拘束。


 二度と子が作れない身体にする。


 これは、同じことを二度とやらかなさないようにするための処置だ。


 次に女を呼び出す。

 そして彼女に対しても同じように慰謝料の支払いを求める。


 で、これまた同じような理由で身柄を拘束。


 ただここからは少し異なり。


 彼女が出産するまではそこそこ大切に扱う。

 奪うのは自由だけ。


 本当の始まりは子が生まれてからだ。


 出産してすぐ、母と子を引き離す。で、子に拷問のようなことを行い、それを映像で女に見せる。女は母親であるにもかかわらず子を救えない。まだ少しも抵抗できないほど幼い子が虐められている姿を一日中見せられた女は、何もしてあげられてない己を責め、精神的に勝手に弱っていく。


 子を残す能力を失ったオールドと生んだ子を失った女は、その後施設内にて再会させられるが、もう以前のような熱を帯びることはできなかった。



 ◆



 あれから十数年。

 私は安定した仕事に就いている人と結婚、子も運良く数人得ることができて、今は穏やかな幸福の中で生きている。


 子どもももうかなり大きくなっているので、そこまで手もかからない。


 そろそろ自分の時間も作れそうだ。



◆終わり◆

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