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さくっと読める? 異世界恋愛系短編集 2 (2022.3~12)  作者: 四季


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婚約破棄されても、護りたかったのです。

 貴方を庇って、倒れる。


 身体が地に落ちる。

 痛みがどこからともなく襲ってきて。


 でも……今、貴方の顔が、すぐそこにある……。


「そんな、どうして……どうして!? どうして庇ったんだ!? 婚約は破棄したじゃないか!!」

「私……貴方を……」


 唇が赤く濡れる。

 このままでは生命の灯火は消えるだろう。


 でも、それでも構わない。


「……婚約破棄されても、護りたかったのです」


 そう、私は、彼のために生きられればそれだけで良かった。


 たとえ婚約は破棄となったとしても。

 貴方のために最期を迎えたかった。


「そんな! どうして!」

「……愛しています、いつまでも、貴方のことを」


 彼のために生き、彼のために死ぬ。


 その望みは果たされた。


 私は後悔はしない。

 貴方のため散れるならそれでいい。



◆終わり◆

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