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さくっと読める? 異世界恋愛系短編集 2 (2022.3~12)  作者: 四季


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療養のために一旦婚約を解消していた彼女が回復した、とのことで、婚約破棄を言いわたされてしまいました。

「実はさ、療養のために一旦婚約を解消していた彼女が回復したんだ。だから俺は彼女ともう一度婚約することにした。やっぱお前みたいな穴埋めより彼女の方が魅力的なんだよな~。だからさ、お前との婚約は破棄な」


 私はある日突然そんなことを告げられた。


 婚約者レーニクに私の前にも婚約者がいたことは知っていた。だが彼女とはもう関わっていないと聞いていて。だから特に気にしてはいなかった、もう終わったのだろうと思っていたから。


 だが、どうやらそうではなかったようだ。


「病さえなけりゃ絶対彼女の方が魅力的だからなぁ~」


 私は一時的な穴埋めでしかなかったのか?

 婚約までしたのに。

 恋人なんかではないのに。


「おい、いつまでそこに立ってるんだよ! 婚約破棄って言ったろ。もう早く去れよ! 居座ろうって魂胆が見え見えなんだよくそが!」


 こうして私と彼の関係は終わりを迎えることとなった。



 ◆



 それから数年、親から聞いたのだが、レーニクは回復した女性と再び婚約し結婚したそうだ。


 だが、結婚して数日後に女性の病が再発。

 しかも一週間ほどで前より悪い状態となってしまった。


 しかし今さら離婚というわけにもいかず、レーニクは女性の介護をほぼ一人で担わなくてはならないこととなったそうだ。


 最初のうちは頑張ろうとしていたレーニクだが一ヶ月も経たないうちに介護に疲れ、家を出てほとんど帰らず女遊びばかりするようになり、放置されていた妻は亡くなってしまったらしい。


 で、妻を放置して殺したということで責任を問われたレーニクも、牢屋に入れられることとなったらしい。


 レーニクは生きてはいるが、大好きな女遊びができず、今は毎日のように「夢がない」とか「生きている意味がない」とか言って死にたがっているそうだ。


 ちなみに私はというと、由緒正しい家の出の青年とある本屋で知り合い、徐々に関係を深めてゆき結婚するに至った。


 今は夫である彼と穏やかな幸福を堪能している。


 あの時切り捨てられて良かった。

 今はそう思っている。



◆終わり◆

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