愛する君から婚約破棄を告げられて、僕は終わってゆく。
思い返せば、君との日々は楽しさに満ちていた。
君との出会いはあるピクニック会だったね。
あの時たまたま座ったところが近くて。
お互い少し戸惑いつつも言葉を交わして控えめに笑い合ったよね。
あの時、僕は確かに見たんだ。
君と生きる未来を。
それから僕たちは婚約をして、婚約者同士という関係になって、二人で行く未来を並んで見つめて……ううん、それは僕の勝手な解釈だった。
婚約したのは事実でも、君は僕とは異なる未来を見ていたんだ。
今日、君は終わりを告げた。
もう終わりにしよう。
婚約は破棄ね。
……そんな風に。
君といられると思っていた、君と生きていけるものと信じていた、でもそれは間違いだったの? 僕が勝手に思っていただけ? 本当はそんなことはなかったのかな。でも、婚約はしていたから、共に歩ける道もあったのではないのかな? 君がそれを選ばなかっただけで。
僕はこの世この運命に絶望したよ。
だから……。
もう終わりにしようと思うんだ。
愛する君から婚約破棄を告げられて、僕は終わってゆく。
◆終わり◆




