恋する乙女と言われ馬鹿にされている僕だけど、きっと幸せになってみせるよ!
僕、恋する乙女って言われてるんだ!
まわりからはちょっぴり馬鹿にされてる。
でも僕の胸にあるトキメキは絶対消えないし、好きになってしまったら仕方ないってものなんだよ。
でも、今日……。
「あんたほんと気持ち悪い! 女みたいだし。結婚とかぜーったいに嫌! いくら家の事情があるとしてもこれだけは無理だから、婚約は破棄するからね!」
婚約者イベリアからそう言われてしまったんだ。
うえぇぇぇぇぇぇぇー……ん。
今にも泣き出してしまいそう。
帰り道がこんなに辛いのは初めてだよ。
イベリアを絶対幸せにする!
この前の満月の晩にそう誓ったのに。
もう、もう……もう……無理だよぉぉぉぉぉ……できなくなっちゃったよぉぉぉぉぉぉ……。
はぁ、辛いなぁ。
厳しいところ、好きだったなぁ。
たまに優しいところ、大好きだったなぁ。
ずっと一緒にいたかった……イベリアと。
◆
三日後、僕は新しい恋に目覚めたよ!
親からは「あんたホント物好きだね」とか言われちゃったけど、今は栗色の髪のルルージュに夢中。
これは感覚だけど、朝起きてから夜寝るまでずっとルルージュのことばかり考えている気がするよ。
また婚約するのも悪くはないかも!
……まぁ、友人にそれを話したら、意味不明と言われてしまったんだけどね。
いずれにせよ、僕の道は決まったよ。
僕はルルージュと生きていく!
新しい人生はこれから始まるところなんだ。
◆
あ、ちなみに、イベリアはあの後交通事故で死にかけたんだって。
怖いね。
慣れた道だとしても状況によっては危ないね。
道を歩く時はしっかり前後左右を見ながら歩こう!
◆終わり◆




