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婚約破棄を告げられた数日後に……。
よく晴れた穏やかな日、私は絶望の海に突き落とされた。
婚約は破棄。
彼がそう言ったのだ。
彼と結ばれ幸せになる。
それはきっと確定したいずれ来る未来。
……そう思っていたのは私だけだったのかもしれない。
いや、事実婚約していたのだから本当なら希望ある未来が訪れるはずだったのだが……。
私はただただ泣くことしかできなかった。
◆
それから数日、世界は滅んだ。
世界各地で異常気象。
災害が相次ぎ。
多くの人が落命し、多くの文明文化が壊れ。
そして、私もまた、その荒波の中で生を終えた。
でもそれで良かったと思っている。
生きていても悲しみ苦しみしかないのなら、死は最高の救済とも言えるのだから。
◆終わり◆
 




