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五人兄弟の三男である婚約者、彼が婚約破棄したがために……。

 私の婚約者は五人兄弟の上から三番目だった。

 つまり三男である。


「本日を持ってぇ、婚約はぁ、破棄としますぅ」


 ある日、彼はそう告げてきた。


 それが彼ら兄弟の悲劇の始まりだった。



 ◆



 彼が私を切り捨てた翌日、長男が森に入り木を伐っている最中に突然倒れて死亡。

 亡骸から死因を特定することはできず。

 結局何も分からず、うやむやなまま彼の死は闇に消えた。


 そしてその長男の葬式の途中、まだ若い五男が目の色を変えて暴れ出す。

 正気を失った彼には誰の声も届かず。

 彼は奇声を発しながら式場内の椅子から何からを破壊し尽くし、やがて床に丸く横になって眠ってしまった。


 以降、彼が意識を取り戻すことはなかった。


 その後、式場から弁償を求められたことショックを受けた次男が絶望で海へ行って自ら命を終わらせ、四男は婚約者の女性から「気味が悪いから二度と会わない」と婚約破棄され自宅の三階から飛び降りた。


 そうして残された三男は、弁償のために持っていたお金のほとんどを使うこととなり、一人寂しく貧しく暮らしていったとのことだ。



 ◆



 ちなみに私は、地元を牛耳っている権力者の息子と結婚して穏やかに暮らせている。



◆終わり◆

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