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さくっと読める? 異世界恋愛系短編集 2 (2022.3~12)  作者: 四季


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280/1194

婚約破棄を告げられ関係を終わらされましたが、彼は命ごと終わることとなりました。

「オヌシトノ婚約ハ破棄トサセテイタダク。ソチラノ意見ナドドウデモヨイ。ソモソモ、スベテヲ決定スルノハコチラノ役割ダカラナ」


 数週間前婚約することになった宇宙人の婚約者アブリルテレクスからそんなことを告げられた。


 婚約が決まっていた時は喜んでくれていたのに……。


 どうして心が変わってしまったのだろう。


「デハコレニテ本日ノ会話ハオワリトサセテイタダク。サラバダ」


 結局何も聞けないまま、婚約は破棄となってしまった。


 もうアブリルテレクスとは喋ることさえできない。

 生まれた星は違えど仲良くなれそうだと思っていただけにショックは小さくない。


 とはいえ、済んだことは済んだことだから仕方ない部分もある。


 縋りつくのはやめよう。


 そう思って、アブリルテレクスとやり直す努力をするのは諦めた。



 ◆



 そうして実家へ戻った私は、両親に事情を話した。

 すると父親が激怒。

 あの宇宙人は絶対に許さない、などと言い出してしまう。


 いや、分からないことはないのだが……正直父親がそこまで怒るとは思わなかったから……驚きだった。


「あやつ、うちの娘を何だと思っているのだ。許せん。絶対に仕留めてやる。覚えていろよ宇宙人……!」


 父親は何でもしそうな雰囲気を漂わせていた。



 ◆



 それから数週間、アブリルテレクスが宇宙船に乗って生まれ育った星へ帰ることとなったということを知った。


 出発の日。

 私は変装して発つ場へと向かう。


 最後に一度くらい、その様子を見てみたくて。


 だがそこで事件は起きた。


 地表を発ったアブリルテレクスの宇宙船は、飛び上がって十数秒ほど経って、突如空中分解したのだ。


 宇宙船は塵となった。


 で、後日知ったのだが。


 アブリルテレクスに宇宙船が正常に飛べなかったのは、私の父親が部下に指示して細工させていたからだったそうだ。船の肝心なところに細工をしたことで、あんなことになってしまったようである。



 ◆



 それから数年、私は、同じような家柄の生まれの男性と結婚した。


 親の紹介で顔を合わせることとなったのが始まりだ。

 よくある平凡な始まりだと思う。


 でも私たちはみるみるうちに惹かれ合った。


 関わっているうちにお互いハーブティーが好きだということが判明してより一層仲良くなり、気づけば結婚していた。


 今は一人目の子が腹にいる。


 これから色々忙しくなりそうだが、彼とであればきっと乗り越えてゆけるだろう。


 ちなみに夫のことは私の両親も大変可愛がっており、あの毒のある父親でさえ「息子ができたみたいでうれすぃ~な~」などとデレデレしている。



◆終わり◆

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