表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
275/1194

婚約破棄、そして悲劇。

「マリエラ、君との婚約を破棄したい」


 そう告げられた時、私の中の何かが解き放たれた気がした。


 それは、私の中に棲む、私ではない何か。

 人であるかさえ分からない。

 得たいの知れない蠢くもの。


 それが私を突き動かす。


 私はたまたま近くにあった鉄の棒で目の前の彼を殴り終わらせた。


 倒れた彼はもう動かない。


 それを見下ろして。

 ようやく悟る、己がしたことを。


 溢れる涙。


 これは一体どういう涙……?


 彼が亡くなった悲しみとは少し違う。

 安堵感に似たものもあり。

 しかしながら死を嘆く感情からかけはなれているわけでもなく。


「あなたを愛していました。……さようなら」


 その後私は屋敷の三階から身を投げた。


 こうして終わる私という物語。


 二人の死。

 その後には何も遺らない。



◆終わり◆

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ