婚約破棄されてもハッピーエンド!
草原を駆ける。
ペットである小型魔物と共に。
「おいで! パルクレフト!」
声をかければ。
「ぱるくれふと~!」
パルクレフトの軽やかな鳴き声が響く。
今はとても楽しい。
そして世界は輝いて見える。
◆
「魔物を可愛がるような女とはやっていけない! よって、婚約は破棄とする!」
今から数週間前、五つ年上の婚約者からそう告げられた。
とても悲しかった。
いきなりだったからなおさら。
その日は落ち込んでしまって、食べ物も喉を通らなくて。
でも、そんな時、パルクレフトがずっと寄り添ってくれていた。
で、次第に元気を取り戻すことができた。
すべてはパルクレフトのおかげである。
◆
「投げるよ!」
「ぱる~」
最近は実家暮らし。
両親はそれを受け入れてくれている。
心が広い親に感謝。
で、私は、毎日パルクレフトのお世話をしながら遊んでいる。
「それーっ!!」
「くれ~」
「とってきて!」
「ふと~」
今日は丸い円盤を投げる遊び。
「ぱる~くれふ~と~」
「よーしよしよし! さすがっ! 凄い!」
これはハッピーエンド! ……とも言えそう、かな。
◆終わり◆




