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さくっと読める? 異世界恋愛系短編集 2 (2022.3~12)  作者: 四季


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このたび、婚約破棄されました。~我が兄は最強の魔法使いです~

「貴様! どこまでも可愛げがないな! よって、婚約は破棄とする!」


 婚約者の彼オッブリデートはそれでなくてもかなり大きい鼻の穴をより一層膨らませ自慢げな顔をしながら婚約破棄を宣言した。


 何がそんなに誇らしいのか。

 私にはよく分からない。


 しかも婚約破棄の理由が『可愛げがない』だ、なかなか画期的である。


 人生に大きくかかわるような話なのに理由がそれだけとは。

 正直驚かないことはできない。


 だが、あちらからはっきりそう言われてしまうと拒否することもできず、私はただそれを受け入れるしかなかった。


 で、帰宅した。


 婚約破棄されたと聞いて一番衝撃を受けていたのは兄だ。


「そんな男! 許せん! にいちゃんに任せろ、吹き飛ばしてきてやる」


 私の兄は少々過激な人だ。

 そして優秀な魔法使いでもある。


 思考と能力、二つが揃っている彼は、心強くも危険な人物。


 ただ、基本的にはいつも私の味方をしてくれるので、今のところ彼を怖いとは思っていない。


「にいちゃんの力、見せてやる」


 兄は素早く家から出ていった。



 ◆



 翌日、地域のおしらせを書く回覧板にて、オッブリデートの亡骸が発見されたという件を知った。


 発見の数時間前までは目撃情報があるらしく、それ以降の死と思われるそうなのだが、死因は明確にはならなかったらしい。


 兄の仕業だろう。

 すぐにそう思ったけれど。


「まっさかぁ、殺したりするわけないだろ~」


 彼はそう言ってごまかした。


 だが私は兄がやったのだと思っている。

 自分の中では確信している。


 もちろん証拠があるわけではないが、そこがまた兄らしい。

 兄ほど魔法を器用に使う者であれば何かした痕跡を完全に消し去ることだってできるだろうから。


「怖いわねぇ……急に亡くなられるだなんて……。それも若いのに。そんなことがあるものなのねぇ……」


 呑気な母は兄がやったのだと気づいていない様子だった。



◆終わり◆

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