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婚約破棄されました。~あなたの言葉を信じた私が馬鹿だったのですね~
「もっと素晴らしい女性に出会ったので、君との縁は切ることにしたよ」
その日、私は、婚約者からそう告げられてしまった。
それはまるで目の前の橋が急に落ちたかのよう。
目の前が真っ暗になってしまって。
すぐには何も考えられず何も言えなかった。
どうしてこんなことに……、と思うことくらいしかできず。
ただただ悲しくて。
彼はかつて「一緒に協力して生きていこう」と言ってくれた。私はその言葉を信じてここまで来た。彼と共に生きていけるならきっと上手くいくだろう、そう思っていたのだ。
でもそれは間違いだった。
……あなたの言葉を信じた私が馬鹿だった。
それしか思えない。
こんな形で婚約を破棄されるとは夢にも思わなかった。
それだけに、彼の言葉が心に刺さった痛みは凄まじく。
溜め息しか出なかった。
今はまだ光は見えない。
私はどこへ行けば良いのだろう。
◆終わり◆




