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自分勝手な理由で婚約破棄した彼には天罰が下るでしょう。

 婚約者オーガフは私との婚約を自分勝手な理由で破棄した。


 婚約破棄の理由は『最近気になっている女性がいて、その女性と生きたいと思うようになったから』というもの。完全に彼だけの都合。私などまったく関係のない理由であった。


 普通であればそのような理由だけで婚約破棄など決められないだろう。


 でも彼は違った。

 彼は何の躊躇いもなくその理由を口にして婚約を破棄できた。


 そういう神経の持ち主だったのだ。


 で、私はというと、その婚約破棄を受け入れた。


 今回だけではないだろう。

 きっとこの先も同じようなことが起こるだろう。


 そう考えたらから。


 彼の自分勝手さに振り回されながら生きてゆくのは想像するだけでも疲れる。


 正式に夫婦となってしまってからでは離れようにも離れられない。手続きもややこしくなるし、親にも迷惑をかけかねない。


 だから私はここで彼とは終わりにすることにした。


「さようなら、オーガフ」


 そう告げたのが、彼への最後の言葉。



 ◆



 婚約破棄から三日、オーガフに天罰が下った。


 お気に入りの女性と二人で山を散歩していたところ、急激に天候が悪化。


 一旦雨宿りしようと近くにあった小屋に入り隠れるが、不幸なことに、そこは実は山賊が活動拠点として使っているところであった。


 山賊から拠点を荒らしに来たと勘違いされた二人は、縄でぐるぐる巻きにされてしまう。


 オーガフらは事情を説明するも聞いてもらえず。

 山賊は、男が罰を受ける死ぬなら女だけは逃がしてもいい、と言う。


 しかしオーガフは首を横に振った。


 彼は命乞いをする。

 そして女性を差し出した。


 オーガフは己の身を守るために女性が傷つくことを選んだのだ。


 差し出された女性はその場で山賊たちの玩具となった。


 そうして解放されたオーガフだったが、雨の中走り去っている際に雷に打たれ、その場で落命した。


 ……とのことだ。



 ◆



 数年後、私は、うちと同じような家柄の子息である天然パーマが可愛い男性と結婚。二人の子にも恵まれ、動物も数匹飼い、賑やかに楽しく暮らせている。




◆終わり◆

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