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婚約破棄、されてもなお、あなたの隣にいたかった。
「僕たち、もう終わりにしようよ」
あなたがそう言った時、私を支えていた支柱が折れて真っ二つになった……気がした。
「婚約は破棄ってことで」
あなたは私を支えるただ一本だけの柱だった。
あなたという存在、それが、私を生かし続けていた。
でもそれが折れて。
あなたと離れるということは、私の終わりが見えたということと同義。
そう言っても過言ではない。
それほどに、私は、あなたのことを愛していた。
その日をもって私たちの婚約は破棄となり、私とあなたの行く道は別のものとなってしまった。ただ、それでもなお、私の中のあなたへの想いは消えず。むしろ、離れたことでより一層燃え上がってゆくかのようであった。
婚約破棄、されてもなお、あなたの隣にいたかった。
あなたへの想いは消えない。
あなたへの想いは、今でも、胸の内で静かながら熱く燃え続けている。
◆終わり◆




