表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
さくっと読める? 異世界恋愛系短編集 2 (2022.3~12)  作者: 四季


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

22/1194

婚約破棄されましたけどのんびり穏やかに暮らしますよ。

 穏やかに生きていきたい。

 そう思っていたのですけれど。


「貴様との婚約は破棄とする」


 婚約者アブソスからそう告げられてしまいました。


 彼との関係はそれほど悪くないと思っていて、それだけに、急に婚約破棄を告げられるというのは意外で驚きでした。


 こんな展開になるなんて、と叫びたくなるような、そんな気持ちです。

 もちろん、実際に叫んだりはしませんが。


「貴様は怠惰だ、俺へまともな奉仕もしない。それに、のんびりし過ぎていて、見ているだけで腹が立つ。だから貴様と生きていくのは無理だと思った。それが婚約破棄の理由だ」


 なんだかんだで、言いなりにならないのが気に食わないだけではないのでしょうか?


 そんな感じがします。


「そうですか。……確かに、奉仕はできません」

「だろう? だから貴様とはやっていけんと思ったのだ」


 彼は立ったまま腕組みをして偉そうな態度をとります。


「……分かりました」


 私は引くことにしました。

 ここで争っても意味などないと思ったからです。


「それでは、私はこれで去ります。さようなら。……失礼します」


 まずは実家へ帰ろうと思います。



 ◆



 時の流れというのは本当に早いもので、気づけばもうあれから数年が経ちました。

 ここまで、本当に、あっという間でした。


 私はというと、今も実家にいて、家事のお手伝いをしつつ小型魔物の世話をしつつで……忙しくもそこそこ穏やかに生活できています。


 一番良いのは他者に対して無駄に気を遣わなくて良いというところ。

 二番目に良いのは時間に縛られることがないというところ。


 私にとっては大きなことです。


 小型魔物は比較的人間に友好的な種族が多いので、攻撃してくるような者はいません。


 私としては、これからも、こんな風に世話をしつつ生きていきたいと思っています。それが私にもってこいの人生だと思うから。結婚して家庭を築く人生が悪いとは言わないけれど、私に合うのは忙しさはあれどのんびりできるこの暮らしなのです。


 ちなみにアブソスはというと。

 あの後、女と酒に溺れるようになり、その果てに犯罪に手を染めてしまって逮捕されることとなってしまったそうです。



◆終わり◆

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ