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これからは女も戦う時代ですのよ! ~婚約破棄して威張っている情けない殿方の相手はしていられませんわ~

 わたくしの名はマーレイ。

 両親に大切に可愛がられて育ってきましたわ。


 けれども今日、婚約者オブレから、婚約破棄を告げられてしまいましたの。


「婚約は破棄する! ……いいな」

「これまた急ですわね」

「はぁ~? そんなこと言って楽しいのかぁ? 馬鹿だろ馬鹿だろ、男に捨てられたクセにさぁ~」


 オブレは情けない男性ですの。


 女にしか強く出られませんの。


 しかもわたくしとの関係の場合――家柄やら何やらで彼はわたくしより劣っているので、ますます強く出られる要素がなく――だから婚約破棄を告げたこのタイミングで威張っているのでしょう。


 なんて小さい方。


「ではわたくしはこれで、失礼しますわ」


 一礼して去るのみ。


「ふられちゃって悲しいにゃぁ~ん、って言って土下座でもすりゃ、許してやってもいいんだぜ?」


 呆れてしまいますわ。


 ◆



 その後、近隣諸国との関係が悪化し不穏な空気になってきたこともあり、わたくしは国を護る兵として働くことを選びました。


 親には反対されましたけれど。

 勝手に家を出ました。


 これからは女も戦って良いと思いますわ。


 もともと『女が戦ってはならない』という決まりがあるわけではなかったのですし。


 もちろん、男性より劣る部分はあるでしょう。身体そのものが異なっていますから。すべてにおいて男性と平等に、とは考えてはいません。が、わたくしはわたくしなりに、国のためできることをするのです。


 まずは誰かがその道へ行くこと。


 それが後の勇敢な女性たちの道しるべとなるでしょう。



 ◆



 あれから二年。


 この国は戦争に巻き込まれてしまいましたが、無事国土を護ることができました。


 色々あって大変でしたけれども、こんなわたくしでも少しは貢献できたのだと思えれば……嬉しいですわ。


 ちなみにオブレはというと。

 村に敵が来た際に母も妹も放って一人で逃げようとして流れ弾に当たってしまい、その場で亡くなったそうです。


 こう言っては失礼かもしれませんけれど……情けないですわね。



◆終わり◆

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