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婚約破棄 ~愛を抱いて告げる別れ~

「きっと幸せになろうね」


 そう言って最高の笑顔でいる私。


「もちろん! 絶対幸せにする、約束するよ」


 そう誓った柔らかな表情の彼。


 二人の時は永遠。

 信じていた。


 ――彼の冷たい言葉を聞くまでは。



 ◆



 今朝私と彼は築いてきたものは崩れ去った。


 楽しかったことも、悲しかったことも、怒ったことも、その後の仲直りも――すべて黒い絶望に塗り潰されて今はもう何も見えない。


 今や私の視界に光はない。

 僅かな希望の欠片さえ存在しない。


 かつて抱いていた愛だけはここにある。


 けれどもこれはもうどうにもできないから置いてあるだけのもの。


 愛があれば何でもできる。

 そんな言葉は嘘だ。

 愛があったとしても過ぎた日々は絶対に帰らないのだ。


「あなた――今も愛しているわ。……いいえ、今だけではない。これから先もずっとよ。ずっと……あなただけを愛している、誓えるわ」


 暗闇の中、私は誰が発したわけでもない問いに答えて。


 そして今回の生を終えた。



◆終わり◆

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