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突然の婚約破棄、それでも今も貴方の瞳が好きよ。
「僕たち、終わりにしよう」
その言葉で、私と貴方の関係は終わりを迎えた。
でも。
それでも。
私は今も貴方が好きなの。
貴方と過ごした時間は今も宝物。
そして、貴方のその翡翠のような瞳が、今でも愛おしいの。
離れれば離れるほどそれが恋しくなる。
こんなことになるならもっとじっくり見ていれば良かった、なんて思って、一人寂しく呆れ笑いする。
夢なんてみても今さら意味はない。
分かっているのだけれど。
それでもどうしても、今も、まだ夢をみてしまう。
貴方と一緒にいられたら……。
馬鹿よね。
もう終わったというのに。
どんなに願っても貴方との時間は帰らない。そう、二度と。いつか記憶の海の中で薄れてゆくことはあるとしても、貴方との時間が新しく生まれることは絶対にない。
それでも今も貴方の瞳が好きよ。
幻想的な空と海のような。
その瞳を今も愛している。
奪い取ってしまいたいほどに。
◆終わり◆