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婚約破棄、花が散るように私も。

 何も思っていなかった。

 こんな日がくることなんて考えていなかった。


 でもその日は訪れてしまった。


 そう、婚約者が知らない女と一緒にいちゃつきつつ歩いているところを目撃してしまったのである。


 放っておくほうが良いかとも思ったが、どうしても我慢できなくて、思わず声をかけて何をしているのか聞いてしまって。それによって激怒され、婚約破棄を言い渡された。


 ……こんな形で終わりを迎えるなんて。


 あの時見て見ぬふりするべきだったのか?


 いや、それは駄目だ。


 そんなことをしてもあの二人が楽しく過ごせるだけ。

 そして私は傷つきもやもやするだけ。


 でも……何も言わなければ関係は終わらずに済んだかもしれない。


 私は走った。

 ただただ走る。

 もはや何のために走っているのかさえ分からない、が、それでも走った。


 そして、地を蹴り、崖から飛び降りる。


 身体が宙に浮く。

 最期の瞬間。


 視界の端に散りゆく花が入った……そんな気がした。



◆終わり◆

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