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婚約破棄、からの甘いやすらぎ。

「きみとはもう終わりだよ! 婚約は破棄! いいね? もう二度と会うことはないよ! 泣いても無駄、何も変わらないからね! じゃあそういうことだから! ばいばい! 婚約は破棄したからね!」


 その言葉を告げられたのは、今から一ヶ月前のこと。


 あの日から、私は、切ない日々をただ生きてきた。


 けれども今。

 私はかつて愛していた人の隣に佇んでいる。


 彼が座るソファの肘置きに腰をかけて上半身から首にかけて伸ばせば彼の顔がすぐそこにまで来る。彼は決して拒まず、そのまま、整った面にほんの少しだけ笑みを浮かべた。女性にも勝るような滑らかな肌に世界の裏側まで見えているかのように透明感溢れる蒼の瞳。かつて憧れながらも諦めたものがすぐそこにある。


 その頬に手のひらで触れて。


 唇を重ねる。


 優しさと温もりが唇を介して伝わって。

 言葉も出せぬほどに胸が蕩ける。


 いつまでもこうしていたい。


 甘いやすらぎが。

 永遠でありますように。



◆終わり◆

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