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婚約破棄、それからの日々。

 昨夜、派遣された従者を通じて、婚約者から婚約破棄を告げられた。


 すぐに本人にも確認してみた。

 それは事実だった。


 私は裏切られたような気分になって、一晩、ベッドの中でも眠ることができなかった。


 なぜこうなってしまったのだろう。

 そんなことばかりが脳内を巡って。


 辛く苦しかった。


 そして、夜が明ける。


 空が明るくなっても、それでも、私の心はすぐには回復しない。

 衝撃が多き過ぎた。

 その日も一日のほとんどの時間を自室のベッドの上で過ごした。



 ◆



 あれから数週間。


 今朝、久しぶりに外へ出た。

 少しだけ歩いて近くの海辺にまで行って、朝日を眺めた。


 白い画用紙に淡い色の絵の具を使って描いたような海辺の夜明け。


 とても美しくて、心が震えた。


 これからは毎日ここへ来ようと思う。


 そうすることで。

 一度傷ついた心が回復する気がしたから。



◆終わり◆

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