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婚約破棄、そして春がやって来る。

「おめんとはもう生きていけねんだわ、婚約は破棄すんだわ。であな。永遠にばいばい」


 彼がそう口にした時、私と彼の婚約者同士という関係に幕が下りた。


 一緒に田畑を耕すのは楽しかった。

 でもそれも過去のこと。

 過ぎ去った日々、ただの記憶でしかない。


 今は冬。


 そして私の心の中の冬みたいだ。


 季節は巡る。

 必ずいつか冬は去り、新しい春が訪れる。


 心もそうだろうか?


 そうであってほしい。

 そうでなくては悲しすぎる。


 この冷えきった心に訪れる春を待つ。



 ◆



 現実の季節が春になろうとしている頃、私の心も徐々に回復してきた。


 実際の季節と心の季節。

 まるで重なっているかのようだ。


 彼との楽しかった時間は過去に消えてしまったが、それはそれと思えるようになってきた。


 過去は記憶として残る。

 たとえそれが今でなくとも。

 でも縛られてはならない。

 過去を思い返し楽しむことはあっても、それに振り回されるべきではないのだ。


 春。


 心にも陽が射し込んで。


 そろそろ進み始めようかな、と、芽吹くように前を向く。


 春がやって来る。



◆終わり◆

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