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婚約破棄された夜、一人お茶を飲む。

 今宵は夜空が綺麗だ。

 暗幕を張った空に星屑を飾り付けたかのような空、輝きは瞳に映る。


 けれども心は晴れない。


 今日の昼、婚約破棄を告げられた。


 告げられた瞬間、私は言葉を失ってしまった。いや、言葉を失ってしまった、なんてものではない。脳内が真っ白になってしまった。それこそ、雷が落ちたかのようで。大袈裟と思われるかもしれないが、事実なのだ。誇張しているわけではない。


 今はもう落ち着いた。

 涙も出ない。

 ただ、昼間に泣いていたせいかまだどこかふわふわした精神状態なところもあり、上手く眠れない。


 なので、お茶を飲むことにした。


 白色のティーカップに赤茶の透明な液体が流れ込むと、柔らかな包み込むような匂いが昇ってくる。

 それは確かに嗅覚を刺激した。

 刺激と言ってもスパイスや唐辛子のような刺激ではなく、心を穏やかにしてくれるような優しげな刺激である。


 美しい夜空を見上げながら、一人、ティーカップを傾ける。


 突然の婚約破棄によって乱れていた心が、少しずつ、少しずつ、整ってくるような感覚があった。



◆終わり◆

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