1095/1194
あの頃は 幸福ばかりだった
詩のような作品です。
楽しかった頃を
今も思い出す
貴方と隣り合って歩けたあの頃は
毎日が幸福ばかりだった
これからも共に歩んでゆく
そんな未来を信じていた
「ずっと一緒にいようね!」
そう言い合えたあの頃を
今も思い出す
貴方と共に進めたあの頃は
毎日がとても楽しかった
辛いことがあっても
嫌なことがあっても
貴方と共に生きられるなら
耐えられる
真っ直ぐにそう思っていた
疑いなんて持っていなかった
けれど
「悪いけど……婚約、破棄するわ」
そう告げられた時
すべてが壊れたような気がした
前を向ける自信
それらが一瞬にして壊れてしまって
信じていたものすべて
子どもの夢のように曖昧な
霧となり消えてしまった
ああどうして
こんなことになってしまったのだろう
楽しかった頃を
今も時折思い出す
貴方と隣り合っての未来を見られたあの頃は
毎日が幸福の中にあった
けれどももう戻らない
あの頃は
決して帰らない
 




