人生大逆転!! 婚約破棄後拾った石が起こした奇跡
領地持ちの家ではあるもののあまり裕福でもない家に長女として生まれた私は、気が弱かったこともあって、幼い頃からよくいろんな人たちから虐められていた。
ただ、それでも一つずつ乗り越え、生きてきた。
嬉しいことばかりの人生ではなかった。
嫌なことだってそこそこあって。
辛い日々だって他人より長くあった方だと思っている。
また、男性との関係に関しても、上手くいかないことは多かった。
成人する前の年に親の紹介で知り合ったフルクという青年には「会話が面白くなくて萎える」と言われて拒否された。
そして、その後親と親の話し合いによって婚約したオヴェロスという男性にも、散々浮気されたうえ最終的には「邪魔者は消えろ」とか「お前みたいなやつと生きるわけないだろ」などと暴言に近いような言葉を吐かれて婚約破棄された。
パッとしない人生、でも受け入れる気でいた。そういうものなのだと理解して無理のない範囲で生きようとそう思っていた。
だが、私の人生は、ある日を境に一変する。
あれはオヴェロスに切り捨てられた日の数日後だった。
私は散歩中にたまたま一つの石を拾った。
とても美しい虹色の石。
日頃は物を拾って持って帰ったりしないのだけれど、なぜかその時は石に惚れ込んでしまって、それでこっそり持って帰ったのだ。
するとそこから石の女神と名乗る存在が現れて。
「貴女には幸運が待っていますよ。きっとこれから、良いことが起こります。貴女の人生は大きく動き、変わるのです」
そんなことを言われた。
その翌日、フルクがあの後愛する女性に振られて心を病み自殺未遂を数回繰り返していることとオヴェロスが交際していた複数の女性のうちの一人に夜道で木の棒で何度も殴られ亡くなったことを知った。
意外な情報が入ってきたことに驚いていたけれど、驚きはそこで終わりではなかった。
我が家の庭から大量の石油と金塊が見つかったのだ。
それによって大金持ちになった私たちは、未開の地を拓き、そこに私たちによる私たちのための国を造り上げた。
そして、オヴェロスに婚約破棄された日からちょうど五年が経った今、私は女王としてその国の頂点に立ち逆ハーレムを築いている。
今はありとあらゆるものを手の内に入れることができる。
もはやかつての地味な私は消え去ったのだ。
言い方は酷いかもしれないが、あの頃の私はもう死んだようなものである。
あの石の力によってすべてが変わった。
そう、私の人生――それを構成する、ありとあらゆるものが大きく変化したのだ。
◆終わり◆




