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本当は気づいていたの
詩のような作品です。
貴方が私を一番とは思っていないこと
本当は気づいていたの
だって目つきが違っていた
私を見る時の目と
あの子を見る時の目
色が大きく違っていて
貴方は私よりあの子を想っているのだと
本当は分かっていた
本当は察していた
けれども私と貴方は婚約者同士
だから特別な関係
あの子だってさすがに壊せはしないだろう
そう思っていた
思っていたのに……
「婚約、破棄するわ」
貴方はそう言った
私を捨てて
彼女を選んだ
信じられなかったけれど
それが現実で
それが貴方の選択だった
貴方が私を一番とは思っていないこと
本当は気づいていたの
 




