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いきなり婚約破棄、しかし素早く次の話が入ってきて……!?

 その日は平凡なありふれた日だった。

 なんということのない日。

 とにかく普通そのものな晴れの日。


「来たな」


 そんな日、婚約者オールレーに呼び出された。


「はい」

「お前との婚約に関する話だ」

「はい……?」

「婚約は破棄とする!」

「ええっ」


 思わず出てしまう声。


「本気なのですか……? でもまたどうして……? 急に……?」

「驚いているようだな」

「はい、びっくりです」

「もっと俺に相応しい人に出会ったから、だ。だから婚約破棄するんだ」

「そうですか……分かりました、では」


 脳はまだ話に追いつけていないけれど、その場で静かに一礼する。


「さようなら、オールレーさん」


 去り際、彼の家の前にある花壇には美しい色とりどりの花が咲いていた。

 それはまるで祝福であるかのようで。

 私の新しい一歩を祝ってくれているかのようだった。



 ◆



 すべて終わった。

 これからどうしよう。


 ――そんな風に思っていたのだが。


 まさかの、次の話が入ってきてしまった。


 婚約希望者が現れたのだ。


 少しゆっくりしようかな? なんて思っていたのだが、どうやらまだゆっくりはさせてもらえないようだ。



 ◆



 結論から言おう。


 あの時婚約希望を出してきた男性と結婚した。


 婚約破棄の直後に話が入ってくる、ということ自体が驚きで、あまり真面目には考えていなかった。けれども会っているうちに心が通ってくるのを感じて。そして段々共に生きようと思えるようになっていった。


 そして今、彼と結ばれ、穏やかな幸福を得られている。


「オールレーくん、意中の人に振られたそうね」

「あっははぁ、まぁそうね、そうだわね~、あの自己中心的な態度じゃねぇ」

「それなそれな!」

「絶望して何もできなくなっているんですって」

「そう、可哀想に……」

「でも自業自得なのよ、彼も身勝手に婚約者を切り捨てたりしていたみたいだし」


 噂話からオールレーのその後の情報を得る。


 どうやら彼は幸せにはなれなかったようだ。


「そうだったの」

「あっははぁ、ま、未熟っていうか子どもよね~」

「それな!」

「ずっと寝込んでいるんですって」

「そう、気の毒に……」

「ま、自業自得よね。これまでいろんな人たちに迷惑かけてきたのが返ってきたんじゃないの」



◆終わり◆

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