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永遠に終わらぬ夜を。
貴女に触れる時、何か、特別なものが胸の奥で開く。
それは一つの祝福のようなもので。
それはまた一つの奇跡のようなものでもある。
起きるとき、歩くとき、本を読むとき――そして、眠るとき。
私はいつも貴女の姿を思い出す。
そして幸福を手に入れるのだ。
それは決して消えない幸福の欠片――またの名を幻。
今宵もまた、貴女は私のもとへ来るだろう。
「わたし、あなたを、愛しています」
貴女が私にもたれかかるなら、その柔らかな髪にこの指で触れよう。
貴女が涙を流すなら、指先で拭きとってしまおう。
「ええ、私も――」
迫りくる衝動に、もはや耐えられはしない。
「貴女を誰よりも愛しているのですよ」
永遠に終わらぬ夜を。
そしてその果てで。
愛しい貴女の、魂までも食らい尽くしてしまおう。
◆終わり◆




