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エンディング③

長文失礼します。


主人公:いやだよぉっ!やだよぉっ。うえぇええんっ。


うう…あれ?アザミの手を誰かが引っ張り上げてくれている。


シオン:泣くな!頑張れお前も手を貸せ。引っ張り上げろ!


主人公:ううっシオンさんっ。


シオン:せえの!


私も一緒になってアザミを引っ張りあげることに成功した。


主人公:アザミッ!


シオン:大丈夫か?


アザミ:二人とも私…


…また影からでてきた。また襲い掛かってくる!!


主人公:トネリコやめてぇっ。私が叫ぶとピタリとその動きが止まった。


トネリコ:手を…だすな…アリウム!!


アリウム:こしゃくなぁ!


ナレーション:その姿は黒い影に入って行ってしまう。影はズルズルと道を這いずっていく。


主人公:待ってトネリコ!!待って!!


シオン:待つんだっ追いかけちゃいけない。


アザミ:だめよ、あぶないわ。ああっもう待ちなさいっ。




主人公:私は影を追った。追いかけたその先はビルの隙間。その奥。トネリコがいるのを見つけた。


主人公:トネリコ!


シオン:やっぱりそうなのか?失踪事件。彼女の姉、アザミちゃん。そして彼女さえ巻き込んで…犯人はお前かトネリコ!


主人公:トネリコが犯人!?


アザミ:トネリコ!あなた…


トネリコ:ハァッ…ハァ…俺を…俺を…殺してくれ。



トネリコ:俺を殺してくれ。



アザミ:どういうことよ!?


シオン:トネリコ。



主人公:殺してくれってどうしてよ。何言ってるのよトネリコ!!


トネリコ:信じなくてもいい…本当じゃないって思ってもらってもいい。だが事実はここにある。


俺は…


俺はこことは違う世界で戦っていた。


国のため、人のため、家族のために…


ここで言う勇者のように。


だが、おれは敗北してしまった


大きく黒いクジラのような魔物に世界は食われていった。俺はなんとかそいつを封印しようとそいつを…アリウムを自分の身体に取り込んだ。崩れ行くあちらの世界から俺は異次元の穴を開けてこの世界に逃げこんだ。




アリウム:クククッ。


我は身体にいろいろなもの食い、溜め込むのよ。


今もそいつらは我の中で生きている。それが我の力の根源になるのさ。


トネリコ:出てくるなっアリウム!


アリウム:クククッ。


だが封印はしきれていない。今も一人、また一人と


我は人を食った。お前の身体ものっとって我が体に戻りて完全復活しこの世界も食ろうてやるわ


トネリコ:…俺はこの世界に助けられた。食堂の人達も居場所をくれた。


話しかけてくれたシオン


ちょっかいをだしてくるけど優しいアザミ。


そして…俺のひとめぼれだったあなたに出会えたことに感謝するよ。


そんなあなたとみんながいる世界を壊したくないだから。




トネリコ:お願いだ。俺を殺してくれ。


主人公:そんな、私は…私は…


私はあなたを殺します。


私はトネリコへと歩み寄る。




シオン:お前やめろ!


おもむろに胸元から取り出したのは重みのある銃だった。


アザミ:シオンやめなさい

アザミはシオンの銃を両手で覆う。


シオン:何するんだアザミ!!


アザミ:私見てたわよ!あなたがこそこそしてたの!あなた警察ね。友達に銃は撃たせないからっ。


アザミが銃を打とうとするシオンを止めている。


私はトネリコに尚も歩み寄るそして…ぎゅっとトネリコを抱きしめた。


トネリコ:はあ…はぁ…お前…。うあああああっ


アリウム:やめろやめろやめろぉっ!なにをする気だ!



二人が主人公へと叫ぶ。


アザミ:お前、トネリコから離れろっ


シオン:あなたっ無茶しないでぇ!


アリウム:全員我の力にしてやる!!!


影がみんなの所まで広がるそして、


シオン:うあああ!


アザミ:きゃああ!


そこにいた全てのものが影へと引きずり込まれた。










主人公:トネリコ…トネリコ…


ここは影の中だ…アリウムが食べるものを一時的に保存するために作った影の中だ。そう、感じる。それでも私は抱きしめた。


トネリコを離さないあきらめないから。


アリウム:やめろやめろやめろぉおお!


主人公:私はトネリコの顔を見る。口元に手をかけてそうして




…私はあなたにキスをする。 






アリウム:!?


なんだろうか。この胸の高鳴りは…これは…この感情いったい…。




我は、黒いクジラのような魔物として生まれた。


魔物に親などいない。


我は何かをお腹にいれたままにすることで力が強くできると漠然とそれだけが…我の生きる糧だった。


だが、我は満たされなかった。


何がたりないのかも分からなかった。


何かが欠けているのだ。


けれど、何だ?この二人の心は?


満ち溢れる感情。鳴りやまぬ心臓の鼓動。


二人でいる時どうしてこんなにも心が満たされてゆくのだ?


我が一番欲しかったもの。

 …これは…   




消えていたものが戻っていく。

アザミもシオンもそして私も…

元の所へ戻った。




シオン:いったい何が起こったんだ?


アザミ:大変、あの子とトネリコが倒れてる!


シオン:大丈夫か!?


アザミ:大丈夫!!


私は目を覚ます。

主人公:シオン、アザミ…

トネリコは!トネリコは?


トネリコ:…。(トネリコは仰向けに倒れている。)


主人公:トネリコ。


私は確かめるようにトネリコを抱きしめた。








事が終わり、諸々が片付いてから。


私はお姉ちゃんのマンションに帰ってきた。アザミもシオンもトネリコも、そして…


アザミ:ニュースでもやっているわ。行方不明になっていた人達もみんな帰ってきたって。


主人公:うん、お姉ちゃんもお帰りなさい!!   


姉:すぐに帰って来れなくてごめんね。


主人公:いいのよ!無事でよかった。


シオン:しかしあれじゃあ犯人が不可思議すぎる。


トネリコは口頭でクジラだか封印だか言ってくれていたがみんなを取り込んだのは結果的にあの影だった。


張り込んでいた警察の人達も巻き込まれたのは

影だったらしいし。

証拠不十分だっ。犯人誰なんだよ?!




アザミ:やっぱり警察なのねー。シオン。常人が銃を持ってないわよね。日本だと捕まるわよ。


シオン:ちっ違うぼくは、警察じゃないっ。


トネリコ:あれ、まだ隠していたのか?俺は知ってたぞ。就職で受かった時は相当喜んでたからな。


シオン:それを言うなっトネリコ。


主人公:シオンさん、警察なの!?


シオン:おおお。わかってないのがここにいた。

よかった!よかった。これでまだ言い訳をっ。


シオンとアザミかニヤニヤ見る。


姉:アッハッハッハッ。もう言い訳になってないぞ!!


皆で笑った。


姉:よおし。みんなにはお世話になったみたいだから、じゃ今日は私が料理をふるまってあげようっ。

食べて、泊まっていきなさいっ。


みんな:わーいっ。


その夜は楽しくみんなで過ごしたのだった。





食堂にてまた私とトネリコは二人今日も昼ご飯を食べていた。


主人公:今日も美味しいよトネリコ。


トネリコ:ありがとう。


主人公:そうだトネリコ、あなたは身体の方はもう大丈夫なの?


するとトネリコの声のニュアンスが変わる。

アリウム:やあ…女。


主人公:アリウム!あなたいたの!?


アリウム:クククッ。お前達といると不思議と満たされる。他のものを食らって身体に入れておくより大きくて暖かいものを感じられる。


この何かを感じられるからお前達と一緒にいることにした。


トネリコ:かってに出てくるなアリウム。


アリウム:ククッ好きにさせてもらう。


トネリコ:はあ…。


主人公:トネリコ。もう大丈夫なの?


トネリコ:ああ、大丈夫だ。今言った通り何かを俺達に感じるから一緒にいるんだとさ。     


何かっていったい?


アリウム:何か?わからんのか?

我はこの女のファーストキスを頂いた。

我はこの女にいちころだったぞ。



アリウムはコロッケをほうばった。


アリウム:おや?このコロッケとやら美味だな。


トネリコ:キス!?なんてことだ!!

お前アリウムにキスしたのか!?


主人公:うん…。自分が殺されてもトネリコを奪われたくなかったから。トネリコの全てを大事にしようって心に決めて。…ってもしかしてあの時意識を持っていたのはアリウムのほうだったの!?

トネリコは知らないの!?


トネリコ:…


主人公:そうなのね…そう…



主人公:そっそうだっ。あなたの世界も元にもどったのよね?


トネリコ:ああ。もちろんだ。あとで、俺の世界へも招待するよ。俺が異次元を繋げれば…


主人公:あなたはその世界に帰らなくていいの?


トネリコ:ああ…。けど、お前のいない世界なんてもう考えられないから…。






アリウム:(二人が見つめ合っている。彼らの口元が触れ合うのも時間の問題だろう。


我は思う。誰かの心すら包み込んで世界を優しく温めてくれるそんな奇跡の感情を人はそれを




…愛と呼ぶのかもしれないと。)




「終わり」






エンディング③が

トゥルーエンドでした。


お付き合い頂きありがとうございます!

クジラの庭はここまでですがまだまだ散策していろんなお話を作っていきますので宜しくお願いいたします。

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