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軽重
夢を粉にして
あなたは静かに秤に乗せた
天秤のもう片方に
水鳥の羽根ひとつ
僕が小さい頃からの夢
果たして生きるに値するか
世界の軽さに釣り合うか
それが知りたくて来た
あなたは伝え聞く存在
きっと言うだろう
「汝自身を知れ」と
待っても何も聞こえてこない
傾いたままの天秤だけが
黙ってこちらを睨んでいる
# ソネット sonnet を書きたかったのだが、本来は厳格な規則があって、日本語では難しい。一応、4行詩2連+3行詩2連の構成ではある。
GAGA #23 2000年12月「夢の重さ」改題、一部改作