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日課
今日いちにちを落とさないように
画鋲で止めておいたまでは良かったが
冷蔵庫に入れておかなかったら
昨日いちにちはもう腐り始めていて
自分でも食べられなくなった
しようがないから硯に墨を磨り
一日を作り直すと
そいつは寝そべったまま僕を指さし
なんで寝る前にやっておかなかったと説教を垂れる始末
鬱陶しさのあまり野に放してやったところ
「おまえにうっとうしいなどといわれるおぼえはない」などとうそぶいたあげく
どこかに独り歩きして見えなくなってしまった
おーい ちょっと待て 黒白まだらの僕の計画よ
どうせ明日には壊れてんだから
晩御飯までには戻ってこい
呼ばわり続ける僕の声が
最初から用意されていたように聞こえるのは
もちろん僕の気のせいに違いない
GAGA#19 1998年10月




