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酒場
西に向かって吠える犬があったとして
さて何事だろうと見に行ったとしても
なかなか気づきにくいものだ
赤信号の代わりに夕陽が伸びているとは
当然のように交通はそこで止まるから
誰もが眺めることができるのだ
一日が堕ちていく有様を
一日の仕事を終えた太陽と自分の姿とを
西に向かって吠える犬は喧しく失礼であるが
犬は犬なりに仕事をしているので
それを眺める私達と大差あるまい
ただ。今日も暖簾を潜り毒物を摂取するのは
犬のように仕事をして進化した私達であり
どんなに吠えても後で一杯なんて犬は居ないと。
GAGA#44 2009年4月




