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病院と朝食
貪欲にうごめくナイフとフォークに
ある種の殺意を感じるのは私だけではあるまい
二重に聞こえるおはようの挨拶や
電話口に見える丁寧なお辞儀など
本当のこととは思えないような仕草を集めて
世の中の見せかけは動いているのだから
真実を見つめることは戦争に行くよりも
無神経で無作法な振る舞いとされるのだ
旗やノボリを立てて喚き散らしたい気分だ
船は止まらないとわかっていても
だから誰もが髪の長い女の子のように
素知らぬ顔をして朝食を済ませ
ある種の殺意を抱いて微笑みながら
今日も仕事に出かけていく




