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ほうき星の素  作者: 萩原 學
33/50

午後

豊の香いちご2ダースが香るような

甘ったるい午後を踏み分けて

太陽が威勢よく挨拶にやってきた

受け取ったグラスにウイスキーを注いでやると

太陽は嬉しそうに飲み干して僕に言う

お前も飲め、と

何か隠しているらしいとは直ぐわかったが

見た限りでは黒点が多いくらいで

身体の調子が悪いわけではなさそうだ

普通こういうときは相手の目を見て話すものだが

此奴をまともに見つめたんではこっちの目が焼けてしまうし

サングラスなんか掛けてるから瞳の色はわからないし

まあいい、せっかくだから付き合ってやろうと

グラスを出して僕も飲む

やがて2人してまぶしく酔っ払ってしまい

ぽつりぽつりと太陽は語り出した

話せば長いことになるが

どうも彼女とうまくいってないらしい

太陽と呼ばれる存在にも悩みはあるものかと

驚く僕に大笑い

なに、生きている限り恋と悩みはつきものよ

どんと背中を叩かれて目を覚ます

慌てて起き上がると地平線に日が暮れかかる

そんな子供みたいなことをと思いつつも

太陽に向かって手を振ると

ニヤリと片目を瞑って沈んでいく


しまった、聞くのを忘れたぜ

ハイボールとオン・ザ・ロック

太陽はどっちが好きなんだ?

GAGA #25 2001年 12月 一部改作

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