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午後
豊の香いちご2ダースが香るような
甘ったるい午後を踏み分けて
太陽が威勢よく挨拶にやってきた
受け取ったグラスにウイスキーを注いでやると
太陽は嬉しそうに飲み干して僕に言う
お前も飲め、と
何か隠しているらしいとは直ぐわかったが
見た限りでは黒点が多いくらいで
身体の調子が悪いわけではなさそうだ
普通こういうときは相手の目を見て話すものだが
此奴をまともに見つめたんではこっちの目が焼けてしまうし
サングラスなんか掛けてるから瞳の色はわからないし
まあいい、せっかくだから付き合ってやろうと
グラスを出して僕も飲む
やがて2人してまぶしく酔っ払ってしまい
ぽつりぽつりと太陽は語り出した
話せば長いことになるが
どうも彼女とうまくいってないらしい
太陽と呼ばれる存在にも悩みはあるものかと
驚く僕に大笑い
なに、生きている限り恋と悩みはつきものよ
どんと背中を叩かれて目を覚ます
慌てて起き上がると地平線に日が暮れかかる
そんな子供みたいなことをと思いつつも
太陽に向かって手を振ると
ニヤリと片目を瞑って沈んでいく
しまった、聞くのを忘れたぜ
ハイボールとオン・ザ・ロック
太陽はどっちが好きなんだ?
GAGA #25 2001年 12月 一部改作




