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日暮れ前
黒い翼を身に着けて
非観光地の空を飛ぶ
誰も僕に関心など示さないが
その地に住むツバメばかりは出ていけと叫んだ
黒いタイヤを履く車に乗って
黒い物体を押し潰した
あれは小鳥のような気がしたが
自分であったような気もした
後ろから運転席の僕に向かって
出ていけと叫ぶ声がした
夏も終わりに近づいていて
青黒いアスファルトを味わったような気がした
夏の終わりの日が傾く頃
交差点は空より赤く
地上には1羽の鳥が落ちていて
黒い翼が風にはためいている
GAGA #25 2001年12月




