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ほうき星の素  作者: 萩原 學
3/50

幽霊船

水をめぐってけものが争う

時間が足りないと勝負はつかない

まだ流れていく先は思いつかず

重い荷物を背負ってダンスには行けず

取り敢えず上着を着て出かけようとして

脚元から這い上がる渦


雨の中を流れていく木の葉がひとつ

雨に打たれて弾ける音が二つ

何もできずに見上げる3人

東西南北に暮れなずむ四神

五右衛門風呂で案山子を洗おうとか

思いつくのはろくでもないことばかり


街を歩いていると燕が飛んでくる

水害も温暖化も知ったことかと巣を作る

顔も上げずに誰かに答える

次の駅は坂の向こうにあると

絵に書いたような青空を貼り付けて

彫像の上に立っている


誰も乗せないまま船は進む

満帆に潮風を受けて

錨もなく船長もなく虚空に向かって

もう何も見えてはいないけれど

落ち着いたら伝えてはくれまいか

おまえを乗せる船は出ていってしまったと


僕は一人風に吹かれて

渦巻く銀河を見つめているから

まだ朝も暗いうちから

木の葉ひとつ飛んで来ることもなく

ここに来てもはや何の意味もないけれど

まだ愛していると

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