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出勤
いつものように袋の口が閉じ
枕元から立ち上がる夢のかけら
夢枕に立つ赤の他人
見た夢など覚えていないが夢の中で何か話したはず
寝たはずなのに身体が重いから夢の中で走ったはず
夢が鶏のように叫んだから夢から戻ってきたはず
窓を開けると私の代わりに夢がうずくまり
私の顔をした私の夢が慌てて走っていくのが見える
自分の夢に顔を盗られた私の体はここにあるはずなのに
なぜか私の体が私のいうことを聞かず動かないのは困ったものだ
夢が私で私が夢だったわけでもあるまいに
鏡の向こうの私が消えていくような気がするのはきっと気のせいに違いない
遠くでエンジンをかける音が聞こえるから
もう仕事に出かけていったのだ
GAGA#39 2007年8月




