表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ほうき星の素  作者: 萩原 學
12/50

家出

黒い屋根に上がる猫

僕の肩にある黒猫

賑々しく黒い爪を研ぐ

黒く溜まったものが吹き上がる

空の黒さが僅かながらも増してゆき

黒く歌う鴉がカラカラと連れ立ってゆき

黒い雪が遠い記憶を黒い海のように埋めるとき

定められた時が白く色を失うのは

言うことを聞かない娘が逃げ出すよう

娘が爪を噛んで白い夜明けを待ち続ける今も

黒く爪を研ぐ真似を止められず

黒い時間と共に刻むキャベツ

ナイフのように震えるコンニャク

赤いリンゴも白く染めてしまうソースと共に

何もかもうっすらと煮込んでしまえ

かくてあくまで黒いままの白い空にたち

娘はリンゴのような白を食すのである

明日は晴れるといいな

GAGA #38 2007年4月

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ