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ほうき星の素  作者: 萩原 學
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この先生きのこるには

自然と生えてくるものならば敢えて呼ぶほどのこともないが

栽培されるきのこにしても養分を吸い上げて生きているわけで

今さら後がないなどと言われたところで

生きていくことを止めるきのこなどない

この先生きのこれるか心配するのは人間の先生くらいなもので

きのこはきのこである限りきのこであることを止めはしない

だから先生がこの先生きのこれるかを決めるのは先生自身で

きのこの身の上としては生える以外にすることもないわけだ

今日も今日とて雨上がりの空がきのこの頬のようにふっくらとしたところに

先生がきのこのように生えてくるのを見るにつけ

きのこが先生であろうと先生がきのこであろうともはやどちらでもよくなった

先生がきのこによろしくといって生えてきたところで何か不都合があるか

むしろきのこは先生のように重んじられて然るべきではないのか

いずれにせよ私達がこの先生きのこるには

もはやきのこのように先生するしかないのだから

栄養のあるきのこのような顔をしながら

ひとつまみの先生を食べるのである

GAGA #37 2006年11月

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