2 キャラメイク
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「よ、ようやく買えた……」
マジック&ソード2のパッケージを見て、男は万感の思いを込めそう呟いた。
男は、マジック&ソード1をやりこみにやりこんでいた。ペペロンというプレイヤー名で、マジック&ソードの最弱の種族である小人族を選び、プレイをしていた。その際、仲間にするキャラクターも、ほかの不遇種族だけに限るという、縛りプレイをしており、何度も死にながらも遂にゲームを完全にクリアした(このゲームにクリアという概念はなく、プレイヤーがそれぞれ決めている、ペペロンは全てのほか種族を滅ぼすという目標を掲げていた)。ちなみにその際、異世界に転移する、何ていう事もなかった。
マジック&ソード2は発売日に購入したいと思っていたが、買えなかった。理由は金欠だ。前回のマジック&ソード1のプレイ中、熱中しすぎて仕事を首なったので、新しい仕事が見つかるまでは、買えなかったのだ。ようやく見つかったので、速攻で購入した。今度は同じ過ちを犯すまいと、仕事にはいくつもりだったが、実際どうなるかはやってみないと分からない。1並みにはまってしまったら、時間を忘れて熱中してしまうかもしれない。
ヘルメット型のフルダイブVR機を頭にかけた後、マジック&ソード2をセット。ゲームを起動した。
瞬間、五感が現実世界から切り離された。
気付けば真っ暗の空間に立っており、目の前に映画のような大スクリーンが出現し、映像が流れ始めた。
ゲームのOPである。初回起動時はスキップでないようだ。元々、初回はOPを見る派なので、スキップはしないが。
かなりの予算をかけて作ったんだろうという、大迫力なCG映像がスクリーンに流れる。映像に見た限りでも、マジック&ソード1にはいなかった新種の種族もいるようだ。
2分ほどでOPは終了した。
真っ暗だった場所は、徐々に白くなっていく。真っ白になったら、
『あなたの名前を教えてください』
と美しい女性の声が響き割った。最近おねぇさんキャラの声をよく担当している、売れっ子声優の声である。
少し考えたが、1の時に使っていた名前が、一番愛着が持てるため、そのまま使用することにした。
「ペペロン」
名前を付けた時、昼飯にペペロンチーノを食べていたから付けた名前であった。
次にキャラメイクが行われる。
種族を選ぶことが出来るが、どの種族にするかペペロンは悩んだ。
事前情報は何度か見たが、今回のマジック&ソード2では、1ほど残念な種族がおらず、どの種族もそれなりに特徴があるという。
マジック&ソード1では、小人族を一番やりこんでいたので、動き方など一番馴染みがある。
でも、また小人族は飽きるかも……とペペロンは思ったが、マジック&ソード2では、珍しく、後から種族を変えることが出来るという事を思い出した。
マジック&ソード2には、『転生』というシステムがあるらしく、転生をすると、年齢をリセットし、種族、性別を変更することが可能だという。
その際、レベルは1まで下がるが、スキルレベルは転生前の数値のままになるようだ。
マジック&ソード2には、レベルシステムが導入されており、レベルが1上がるごとにスキルポイントを獲得する。それを使う事で、スキルレベルを上げることが可能となる。
レベルは高くなればなるほど、上げるのに必要な経験値が増え、必然的にスキルポイントは手に入りにくくなるため、一度転生をし、レベルをリセットする必要があるのだ。
転生はゲーム内アイテムを取得することで、することが出来るようだ。それが何かはペペロンは知らない。
とにかく種族の変更は後からでも可能なので、最初は一番慣れている小人族でプレイをした方がいいと判断して、小人族を選んだ。
それから年齢を選べるようである。ゲーム内時間で一年経つと歳をとる。現実の一週間がゲーム内で一年である。歳を取ると、スキルポイントを獲得することが出来る。またアバターの身長が、年齢に合わせて上がる。
初期に選べる年齢は12歳~20歳だった。年齢が低いと能力値が下がるが、その代わりに歳を取ったことで獲得できるスキルポイントの数が増えるようだ。高いと逆に、能力は高くなるが、スキルポイント獲得量が下がる。
一長一短である。最初の内は能力値が高い方がやりやすくなるだろうと考えて、ペペロンは18歳と少し高めの年齢を選んだ。18歳だが、小人族なので身長は非常に低い。
顔などはマジック&ソード1と同じ感じにして、髪の色だけ赤色に変化させた。
マジック&ソード2には職業という概念はないようで、決めることはなかった。
『これでキャラクターメイキングは終了します。ようこそ、マジック&ソード2の世界へ』
その瞬間、目の前に大きな門が現れた。この門を通れば、ゲーム開始という事であろう。ペペロンは、胸を躍らせながら、門を通った。
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