仲間を増やそう、その②
ウサギ二羽に80マナを注ぎ込んで造った魔物は予想通り、コミュニケーションがとれる幹部候補魔物になった。
繁殖できるか試す為に、オスとメスで一体ずつ造ってみたのだが、、まず、オスの方、人型で黒い上等なスーツを着た執事みたいな格好の奴だ、、身長も180センチ以上で、頭の上にウサミミが長くピーンと立っている。耳を入れたら210センチ位だろうか。
ただ、顔は8割ウサギなので執事萌え~みたいな感じにはならない。そしてそのキャラクターも執事キャラとは程遠い性格だった。
「おはよう、私は茜。早速で戸惑うかも知れないけど、あなたの得意な事を教えてくれる?」
「あかねちゃーん、、可愛い名前だ~可愛い上司でマジ嬉しい。はぁ、ところであかねちゃん、胸おっきいなぁ、オレ揉むの超上手いからもっともっと大きく出来るぜ。ね、ちょっとそのローブめくってくれない?ちょっとだけ、ちょっとだけでいいから、大丈夫、超超気持ちよくして、、」
どごぉっ!!
ルビーアイが腕を鞭のようにしならせて掴んだ岩を色ボケウサギに投石していた。
驚いたのは、ウサギは後ろ斜め左に控えたルビーアイの死角からの投石を、瞬時に振り返り様の右脚で蹴り上げて粉々に砕いてみせたのだ。
ぱらぱらと降り注ぐ、粉塵を払うような仕草をして、ドスのきいた低い声を出す。
「なんだぁ、、お前。せっかく、あかねちゃんにもらった超イカすスーツが汚れちまったじゃねぇか、、蹴り転がしてまくって泥団子みたいにしてやるよ。」
「品性の無い畜生め、身の程を教えてやろう。」
「やめて、、ね。ルビーアイも短気過ぎ、、。」
「申し訳ありませんッ!!」
「チッ。」
しかし、とんでもなくゲスい奴が出てきたなぁ。半分位、予想通りだから良いんだけど、、。
魔物を造る上で私から情報が渡っている仮説が正しければ、生まれてくる魔物には私のイメージや希望がある程度反映されるのではないかと考えていた。
ネズミ騎士を生み出した時に禁断のキャラクターが選択肢に現れた事でもしかしたらと思っていたのだ。
そして今回、ウサギを選んだ理由は以下の三点。
①マナ消費の大きさから一体で広範囲の索敵、調査が可能な特殊兵が欲しかった。(音感知能力)
②動物界1の繁殖力で魔物をどんどん増やして欲しかった。(年中発情してるのは人間とウサギだけ、メスに至っては妊娠中にすら新に懐妊出来る驚きの生態。)
③元が草食なので、食料調達の観点で苦労しなさそう。
性格に②番の影響受けすぎじゃないか?
私の中のゲスさが滲み出たとは思いたく無いな。
「ウサギ君は幹部候補なので、名前を付けてあげるね。ちなみに、そこにいるルビーアイもそうだから仲良くしてね。」
「へぇ。ひどいっすよ~、ルビーアイ輩せ~ん。早速後輩苛めっすか~。勘弁してくださいよ~。もう少しでミンチみたいにしちゃうとこでしたよ~?」
「くっく、出来るものならやって見るんだな。」
「あぁッ?」
「聞こえなかったかなぁ、、仲良くしてね。」
私は右腕をポキポキッと鳴らして、凄んでみる。あんまり、無視すると吸ってまうぞ、コラァ。
効果てきめん。
ルビーアイは絶句で平身低頭。
ウサギは頭を抱えてうずくまっていた。スンマヘーンと呟いている。
「もう面倒臭いので、ウサギ君の名前はバトラーで、それでバトラーはその立派な耳でどのくらいの範囲の音を拾えるの?」
「カッチョいいッ、バトラーかぁ~。超強そうじゃん。えと、、それでどのくらい聞こえるかは試してみないと分からないなぁ。音の大きさにもよるし、でも1㎞くらいは余裕なんじゃね。」
「では、実験しときましょう」
実験の結果、大きな遮蔽物が無ければ茜の囁き声でも2㎞位先から感知することが出来た。
過信は禁物だが、充分な性能だ。
この時点で異世界召喚されてから体感で六時間位経過、、召喚されたのが朝だったらしく日が傾いてきている。まきでいきましょう。
ウサギ魔物メスはメイド姿で、生まれてきた。何故か耳に赤いリボンがついている。体型はまぁ、信じられない位にボン、キュッ、ボンしてるな。
バトラー、、アレ勃ち過ぎだから。君には尊厳って概念が通じなそうで怖いよ。
「こんにちは。ウサギさん。」
「ご機嫌麗しゅう。魔王陛下、この度は卑賎なる私めにお情けを頂き誠に恐悦至極でございます。」
「うん、君は私の魔王軍の3番目の幹部候補だから名前を与えようと思います。えーと、イメージからフジコで良いかな?」
「フジコ、、、なんと妖艶で美しい響きなのでしょう。ありがとうございます。魔王陛下。」
フジコの能力はやはりバトラーと同じだった。
あれ、しかし、バトラーおとなしいな。てっきりむしゃぶりつくようにアプローチすると思ってたのに、、と思ったら顔、真っ赤にして手であそこ隠してるな。
うわぁ、こいつ。実は、本命にはいけないヘタレキャラか?なかなか可愛いじゃないか。手が小刻みに上下してるのは見なかった事にしてやるよ。
さて、次はツグミの魔物。
マナインストールすると翼が鈍色に変わり、嘴から頭の部分がフルフェイスの兜のようになって、全体的に巨大化し、鎧を着た大怪鳥になっていた。
「こんにちは。ツグミさん。随分体が大きくなったけど、もちろん飛べるよね?」
「フッ、嘗めないで頂こう。この大翼、隼よりも速く、燕よりも長く空に君臨してみせよう。」
「よし、じゃあ貴方にも名前をあげるね。そうだな、千里を駆ける翼でセンリでどう?」
「うむ、その名に恥じぬ働きを誓う。」
よし、では役者も揃った事だし部隊編成を始めよう!
、、、ルビーアイ君、そろそろ土下座から復帰して下さーい。
バトラーはその手の中に溜まった白い粘着物を外に捨てて来ようか!
はぁ、前途多難。