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魔王をやるのも甘くない。  作者: 午前2時
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第一回魔王軍作戦会議

「第一回、魔王軍作戦会議~ッ!」


洞窟の玉座に戻ってきた茜は片ヒザを立てて臣下のポーズをとるルビーアイを見下ろしながらテンションをあげて号礼をかける。


ルビーアイも空気を読んで拍手を返している。全力だ。


「まずは、情報共有からね。いい?ルビーアイ君。」

「はっ!何でもお答えします。」

「では、私のマナを受け取って配下になって貰った訳だけど、最初から話せたり事情が分かってる風なのはどうしてかな?」

「わかりません。ただ、変化後すぐに自分の仕えるべき主君が誰なのかという強い認識と陛下に関する知識がすでに自分の中にあり、欲求の通りに行動しておりました。」


茜は口もとに手を当てて考える。


マナの注ぎ込みには刷り込みとインストールの強力版みたいな効果があるのかも知れない。


元々マナは魂のエナジーという定義であるし、私の持つ情報も一緒に移動している可能性も確かにある。


「じゃあ、それ以外で知ってる事を教えてくれる?」


「はい!虫どもの事なら、、」


「ルビーアイ君!話の腰を折って申し訳ないんだけど君の価値観はかなり虫に偏ってるな!!私はこの世界に来たばかりだけど世界は虫が全てじゃ無いって事は間違いないから、これから一緒に勉強して行こうね、、で、今回は虫以外で何か知ってる事はある?」


「、、虫以外ですか、、、植物の事は同族なので大体見たり、調べたりすれば分からない事は無いと思いますが、、。」


今、めっちゃテンション下がったな。こいつ。


でも、薬草や食料、毒草の事が分かるのは助かるし、虫も毒なんかは軍事利用可能かも知れない。

食料としてはまぁ今後の展開次第ということで、、、。


「では、今後の展望について話しましょう。まず、生活の基盤を整えたいと思っています。私が考える生活の基盤とは食料、拠点の充実、勉強の三つです。」


「食料と拠点は分かりますが、勉強というのは?」


「優先順位の順なので今は3番目だけど、継戦能力の向上の為には学習と訓練は絶対に欠かせないよ、例えば地理が分かったり、天候が読めたり、敵の文化や宗教を知ってるだけで行動や考えを先読みする事が出来るんだ。」


「さすがは、魔王陛下であらせられます。」


感動してしびれているらしいルビーアイに、いやいやと手をフリフリ応える。


「でも、当座は食料の確保が急務だから、、そう言えばルビーアイ君は虫以外何を食べるの?」


「私の場合、水と土、日光浴さえあれば最低限の活動は可能です。ただ、戦闘を前提に考えると積極的に狩りをしてエナジーを得なくてはならないと思います。」


光合成出来るんだ。植物魔物、、燃費いいなぁ。


「そっか、じゃあ水の確保を始めとして狩猟、採集はルビーアイ君お願いね。一人じゃ大変だろうから後でマナで配下を二体造ろう。」


「ご下命、慎んで拝命致します。」


「後、食料問題としてもう1つ、かなりヤバイと思ってることがあります。それは、塩です。」


「陛下、寡聞にして申し訳ありません。塩とは何ですか?」


「ルビーアイ君には必要無い鉱物の一種なのですが、これがないとそう遠くないうちにまぁ私が死にます。海から大量にとれる物なんですが、ここは海から離れていると思われる為、入手の為最悪、人間と接触する必要があるかも知れません。」


「人間と接触ですか、、小さな集落であれば、襲撃して壊滅すればよろしいのでは?」


「うぬぼれるなよ、ルビーアイ」


茜は表情を変えず、抑揚の無い平坦な声で静かに囁くように警告する。それだけで、ルビーアイの顔から玉のように汗が吹き出し、全身に細かく律動が走る。再び平伏の姿勢をとったルビーアイにかぶせるように茜は続けた。


「ルビーアイ君は確かに強くなったけど、人間を甘くみていい理由にはならないからね。人間は恐いよ、絶対に侮ってはダメだから、、。」


「申し訳ありません!陛下の生死に関わる問題と聞いて、頭に血がのぼっておりました。」


「その忠誠心は嬉しいけどね、、、でそう言う理由で残りのマナは周辺地理の調査の為に配下を増やすから実質、私は新たなマナの確保が出来るまで無能力状態になってしまうんだ。」


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